広辞苑。
言わずと知れた岩波書店の看板辞書。
物心ついた頃から家にありました。
まず同じく岩波書店の国語辞典で
調べて
それから広辞苑で確認。
調べ物ではこれが
普通「鉄板」でしょう。
更に深堀したきゃ専門書。
家と職場に一冊づつあります。
子供も持っていますから
我が家には合計3セット。
岩波書店と聞きますと
チト固い、
もしくは
チト左?
そんな印象を受けますが
岩波文庫から綿々と続く
「知」の殿堂。
そんな感想を持っていました。
広辞苑に似た名前
用途の辞書は他にもありますが
私の中ではこれが基準点。
ランドマークですな。
これも版を重ねて、もう第七版。
我が家では歴代の中から
六版を使っておりますが
まぁその内
落ち着いたら買いましょうかね。
ところで今回の改定、
マスコミでも取り上げられる事が多く
皆さんご存知の方も多い。
「広辞苑」がこれ程マスコミに
取り上げられる事は稀であります。
それだけ現代の知識の基盤として
使われていることは疑い様がない。
なんだかんだと物知り顔の方も
正しい日本語の使い方の
最終チェックはこの辞書と推察します。
今回の改定
新しくなった話題の他に
別の話題もあります。
解説される「言葉」が
今までとは毛色の違うものが
含まれているのです。
例えば
「スマホ」「炎上」「ブラック企業」
等々。
まだまだありますが
これを入れるに当たって
編集の方がたは並々ならぬ決意を持って
挑まれたと推察します。
広辞苑が持つ今までの顔と
全く違う顔を見せたのですから。
確かに言葉は時代と共にその意味を含め
変遷していきます。
しかし、本来の意味も
当然知っていて損はない。
いや、知るべきであります。
それが伝統的日本語としてあるのなら。
ところが今回の新入生、
これは言葉として掲載して良いものか
私は疑問に思うのでありますよ。
掲載する程「深い」言葉なのか?
現代の時々を知る上で
もう1つ欠かせぬ辞書があります。
そうです。
「現代用語の基礎知識」
これは毎年改訂版が出されます。
なぜなら
これこそ世相を反映する言葉
事物を解説しなければいけませんから。
これに掲載される言葉としては
先の言葉たちは
まさにストライクですね。
ですが広辞苑にはどうにも馴染まない。
はっきり申し上げるなら
「安っぽくなった」
と感じてしまうのです。
先ほどの言葉たちは「現代用語」に
任せておいて良いではありませんか。
何も天下の「広辞苑」が取り上げるべくもない。
話逸れますが
「本」としての広辞苑は必要か?
この疑問も現在論議されている様子。
これにも私は断然「当然」と言いたい。
確かに子供の自室には
物理的な広辞苑がありますが
普段持ち運びする時は電子辞書のそれ。
これは単に運ぶのに苦労だからでしょう。
考えますが
物理的な辞書をペラペラと調べておりますと
探し当てた言葉の他に
両隣、上下
そこに掲載されている言葉も気になって来る。
そこからまた調べ出し
結構、辞書って楽しめるんですよ。
まぁ確かにネットでも良いのですが
イマイチ
グーグル先生を
信用していない自分がいることを
ここで発見するのであります。
ここはひとつ
船のアンカーの様に
本棚に鎮座されてないと
どうにも落ち着かない。
それにも時代の波が押し寄せている現状。
これは致し方ないのでしょうかね。
アイキャッチは一昨年の震災直後の
「広辞苑」です。