カストロールR30は植物性エンジンオイル。
今は製造していない2ストロークエンジン用。
が、実は4ストロークにも使えます。
その特徴は強い皮膜と摩擦係数の驚くべき数字。
もうちょい詳しく書くと
R30の数字が示すように
シングルグレードでコンペティション向き。
更に詳しく書くと
「ひまし油」。
下剤にも使える
良いオイルでした。
か?
は、昔の話で
現在は鉱物性オイルがほとんどで
その性能は昔とは比になりません。
が、私にとっては忘れようもないオイル。
なぜか?
その匂い。
いや「香り」。
燃焼タイミングがバッチリ会っている時の
その排気ガスの匂いは
甘くとろけます。
タイミングが合いすぎる競技会場
例えば昔の全日本モトクロスのA級のファイナル。
各チームこれでもかと
エンジンを調整して挑むのですが
ゲートが倒れ
一斉に第一コーナーに突っ込んで行く。
みなさんA級ですから
そのスピードは半端ではありません。
その後スタートのポジションに
残された私らへのプレゼントは
カストロールが綺麗に燃えた
その甘〜い香り。
と後輪から弾かれた泥で
真っ黒になった顔と服。
マジ痛かった。
あれは忘れがたい。
それから随分時間が経ちましたが
巷には2ストロークのバイクはありません。
環境基準に合うはずもなく
当然製造していない。
だいたい2ストロークエンジンは
半燃焼状態で排気されますから
対応しようがない。
昨夜平和に帰宅していますと
「あ、コンビニ忘れた。」
とトコトコ歩き始めました。
途中、馴染みのベスパを変態改造してくれる
超マニアックな知る人ぞ知る
有名なお店を通り過ぎ。。
ようかとしたら
ご主人が店頭に出てきた。
「こんばんは」
「こんばんは。これ今日仕上がったよ。」
「え、なに?
え え ランブレッタ?!」
大昔のイタリアのスクーターです。
「そうそう。仕上げてブレーキを4ポッドの
フローティングにしたのよ」
「またなんてことを!」
「だってノーマルじゃ面白くないでしょ」
と60年前のランブレッタの貴重な個体を
見事に仕上げ
いや、個人的な感想ですけど
似合わぬ近代装備を施してある。
ぱっと見わかりにくいですが
普通は「完全」オリジナルに
仕上げるでしょう。
ブレーキだけ見ても
ディスクはフローティングマウント。
キャリパーはアルミの削り出しで4ポッド。
おまけに手の込んだ金色塗装。
ホースはメッシュ。
ショックは。。。。
もぅ普通やるか?
の換装。
当然エンジンもかけてくれましたが
「こら全然別もんじゃん。。」
個人所有ですから
画像は載せられません。
ごめんなさい。
確かに2ストではありますが、
当時のそれは分離給油なんてなくて
当然オイルは混合給油であります。
ガソリン給油する時
オイルも一緒に入れるのね。
そこから超マニアックなオイル談義が
延々やがて2時間。
そこで各オイルの微妙な匂いの違いと
R30で回してバラした時の
シリンダーに着いた見る角度によって
微妙に変わるその色と光沢で
意見を一致を見たのでありますが
「実はね」
と棚の奥を指差す先に
あったのよ。
R30が。
「まだあったんだ」
「いやこれ売り物じゃないよ。残す。」
当然未開封。
いえ、このオイル
植物性ですから一度開封すると
使い切らなければ保存は効きません。
酸化するのです。
そこからストーブ談義に話は移り
また1時間延長。
なんだか似てます。
妙なこだわり方が。
いや実に楽しかった。
帰りしな
「このランブレッタ、まさかモッズに?」
「いや、オーナーさんの雰囲気から
それもあるんじゃないかなぁ〜」
やっぱ変態や。
お店の名前と場所は教えたくないから
書きませ〜んw
アイキャッチはCastrolさんのHPです。