諸々の想いと沢山の思い出を土産に友が逝く。

誠に神のみぞ知る。

 

先週の土曜日に

それこそ何の思いもなく

病床の同級生に電話した。

 

トイレか何かだろう。

出なかったが

切ったと同時に

先方からかかって来た。

 

「おう」

 

から始まるいつもの会話。

 

「どうだ調子は?」

「相変わらずだな。」

「そうか。今どこだ?」

「実は体調崩して博多の病院だ」

「そうか、帰ってくるのだろう?」

「ああそのつもりだ。飯でも食いに行くか」

「そうだな。連絡くれ。」

 

で、昨夜彼は帰って来た。

 

今朝、出勤途上の車内。

別の友人から家内の携帯に電話が入った。

誰が何度私にかけても繋がらないらしい。

電源切っている訳でもあるまいし。

でもこの手の事、最近多いのよね。

機械のせいではないような気はする。

携帯代、滞納している訳でもないのに。

 

要件は

 

先に書いた友人が昨夜帰って来た。

 

危篤状態で。

 

あら。

 

昨日博多の病院が諦めたらしい。

それで最後はこちらでと

帰って来たのだそうだ。

 

彼奴の電話にかけると奥さんが出た。

しばし状況を話し

スピーカーに切り替えて

彼の枕元に持って行くが

言葉が出ない。

俺の呼びかけに

 

「うんうん」

 

とかすかに応える。

 

「おい!」

 

「。。うん」

 

ただそれだけの時間が過ぎて行った。

 

今、奥さんから電話があった。

もう意識がない。

医者から長くないと言われたそうな。

 

現状、仕事中であるし

今日は「足」がない。

夕方車取りに行って行くつもりである。

もうブッチャケ話すしかない現実がある。

 

「今夕行くからそれまで保たせておいて!」

 

私が行ったからどうにかなるものでもないが

私がこちらに転校して出来た初めての友達である。

色々あったが

 

永年の想いを込めて最後くらいは

 

「おう!」

と見送りたいのである。

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