昭和の中学生
それも随分前の方はご存知かと。
私の愛読誌に「時代」か「コース」
がありました。
旺文社と小学館だったかな。
私のはどっちだったか忘れたけど。
表紙は当時アイドルだった方々。
何年生の頃だったか記憶が定かではありませんが
加藤泰造さんの「小説?」
若しくは軽い「自叙伝」の様な物が
連載されていました。
中学生の雑誌に
何故か主人公は高校生。
中学生でも面白く読めました。
大学受験を軸とした
友情ありの仄かな恋愛ありので
自分を重ね読みふけりました。
彼は都立西高の出身で
多分実体験に基づいたかと思われます。
舞台もそうでしたから。
当時の都立高校は現在と随分違います。
日比谷 新宿 西 両国 等々
「旧制府立」のナンバースクールを頂点として
そりゃ受験でも強かった。
番長小学校 麹町中学 日比谷高校
そして東京大学。
これが都民の絵に描いた様な「一番」でした。
私の頃は既にご存知、御三家を頂点として
私立のピラミッドが出来ていましたけどね。
最近ちょいと武蔵は厳しい様ですが。
それはさて置いて
加藤さんですね。
今でも覚えているのは
東大の合格発表時のくだり。
裸電球に照らされた合格者の掲示板。
彼はそこに自分の番号を
見出す事は叶いませんでしたが
その時脳裏を横切ったのは
ライバルの顔と
恋慕する級友の顔。
とても正直で、
裸電球の描写も含めて
素直に感情移入ができました。
これから味わう挫折と、
それから逃避したい心情が
浮かんだ顔から容易に察する事が出来ました。
それからの私は
加藤さんをはじめとして
「人生論」にはまりました。
武者小路実篤さんのものとかを
読みふけりましたが、
これが本屋で探すと沢山出て来るのですね。
「あれっ?」
と言う感じに。
当時は本物の「おバカ」だった様で
「人生論」と言う一つのジャンルと言うか
限定された書物と思い込んでいました。
人間100人いれば100の「人生論」がある訳で、
それに気が付いたのは高校生になってから。
本当に「1を見て100を知った様な気になる」
習性は今でもその片鱗がある様で
なかなか「赤子の魂」で
私の人生紆余曲折あり過ぎなのであります。
画像は子供の高校の学食のカツ丼。
そろそろガキも受験モードなのです。
と言うか
なってもらわないといけないのですが。。。