西田敏行さんから「歯ぎしり」を考える。

西田敏行さんの演技は軽妙である。

 

そこが実に好きである。

いや、

監督がそう演技させているのかも知れないが。

 

古くは「ゲロッパ」。

実に面白くこれまた軽妙に

「筋モン」

を演技されている。

 

その筋の方がジェームスブラウンのファン

その設定がまた映画ならではである。

 

特にお気に入りの場面は

根岸季衣さん演じる「佐藤さん」を

離れ離れになった娘と勘違いして

抱きしめる場面は

根岸さんの表情も相まって

実に西田さんらしく思う。

 

同じ「筋モン」を演じても

ビートたけし監督の「アウトレイジ」では

全く違う、モノホンのそれっぽく

あまり好ましく思えなかった。

演技は迫真である。

それは間違いない。

 

ところでiPhone7に変えた昨年から

dTvにはまっているが

どちらかと言えば洋画派だった私だが

気軽さも手伝って

邦画も良く観る。

 

その中にチョイチョイ話題になる

三谷幸喜さん監督の

 

「ステキな金縛り」

 

を最近観た。

まぁストーリーとしては

「よくもまぁ思いついたこと!」

と呆れる筋書きではある。

 

主人公は弁護士であるが

弁護を引き受けた被疑者が

アリバイを主張するに

当該時刻には「金縛り」にあっていた。

 

私も人と話していて

言葉に詰まり尋ねられ

「いや、金縛りにあって」

と昔から弁明していたものだから

やけにこのストーリーには親しみを覚える。

 

それを鵜呑みにする弁護士も

これまた映画ならではである。

その金縛りにあっていた旅籠が

奥多摩の「しかばね荘」。

ネーミングが大変よろしい。

これまた実にステキである。

 

そこで寝入りそうな主人公に

馬乗りをして「金縛り」にする

幽霊「更科六兵衛」役が

西田敏行さんである。

 

ストーリーはテンポ良く

細切れのコントを繋いで行く様で

肩の力を抜いて鑑賞できた。

 

小さな画面を懸命に観ていたせいであろうか

いや、最近一人でいる時に

やけに奥歯に力が入っている事に気がついた。

 

気がつけば顎の筋肉が痛いのである。

 

そう言えば

主人公が六兵衛さんに馬乗りされたのが

「歯ぎしりの間」

であった。

 

こんなことを続けていたら

奥歯がもたぬ。

 

ストレスでもあるのかしら。

それとも子供の頃から

外に向かわず

自分の中に何事も納めて来た習性であろうか。

 

この映画はネーミングが一々良いのである。

 

「歯ぎしりの間」

 

ステキじゃないか。

 

そこから我が歯ぎしりに思いを致したのである。

 

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