忘れ物をして日本を実感した土曜日。

置き忘れしても戻ってくる。

 

特に限られた場所においてはその確率は断然高い。

 

土曜日、地元のデパートのATMを利用した。

大昔と違い、現在は土日であってもATMは利用できるのである。

それどころか、コンビニだと24時間、年中無休で利用できる。

すげぇ時代になったものである。

利用すると実感する。

 

ところで、利用したは良いが場所が場所だった故に

手に持った荷物が多かった。

そこでカバンは肩から下げ

贈答用に買ったものをATM機の上に載せた。

 

操作が終わり振り返ると、既に数人が並んでいる。

小心者は焦るのである。

察していただきたい。

 

「あ お待たせしました」

 

と次の人に挨拶し、そそくさと現場を後にする。

別に悪いことをしたわけじゃあるめぇし

実に小心であることに自ら呆れる。

 

用事をあらかた済ませ駐車場まで歩こうと外に出た途端

家内から

「あら、買い物は?」

と虚を突かれた。

 

咄嗟に

「ああ、ここに入れたはず」

と手に持ったバックを開いて

自ら不意についた嘘

その馬鹿さ加減に自分でもまたまた呆れた。

 

買った物はバックのそれより断然大きい。

当たり前である。

 

我に帰りやっと忘れたことに気がつき

また動転する小心者がそこにいた。

 

踵を返し

ATMを見るも期待は裏切られ

 

「ない」。

 

近場の売り場にいた店員さんに

その旨を伝え忘れ物部署があるのかどうか知らねども

届けられていないか調べてもらう。

 

決して要領が、いやスマートさには欠けるが

その熱意は実に良く伝わる

素朴な都市にあるデパートなのである。

 

「お客様、それらしきものが届いているそうです」

と店員さん自ら先導してバックヤードの

その部署に案内してもらった。

実に丁寧なのである。

 

結論から言えば

 

忘れ物は戻ってきた。

 

包装紙に綺麗に包まれ

これまた新品の紙袋に入った物は

当然「未使用」である。

手垢はついておらぬ。

持ち帰られても当然なのである。

 

それが手元に戻ってくる。

これを「当たり前」と思うか否か。

私は否なのである。

こんな国は他にはない。

 

強引に持ち去られることは日常的にあるにしても

置き忘れた物が手元に戻る。

 

それを当たり前と思っては断然いけない。

世界の「当たり前」は

当然、

「忘れたあなたが悪い!」

 

に異論を挟む人はいないはずである。

 

届けて下さったのは

どこのどなたか分からねども

誠に深謝申し上げる。

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