23日日曜日の熊本市はドピーカンでありました。
その紺碧の空に数筋の
一糸乱れぬ飛行機雲が引かれて行きます。
「オタク」ではありませんが
なぜか飛行機雲には惹かれます。
多くの人がそうでありましょう。
普段でも、青空に引かれて行く
一筋の旅客機の飛行機雲を発見したら
荒井由美さんの「飛行機雲」が
つい口をついて
スマホを向けてしまう。
グイグイと登って行く雲の先端に
思いを馳せるのであります。
「どこに向かっているのかな?」
空に憧れる気持ちが人間のどこかに
あるのでしょうね。
現実をひと時でも忘れさせてくれる何かが。
日曜日の飛行機雲は、
憧れとは違い興奮しました。
まず良く練習してらっしゃるのでしょう。
壮大なキャンバスに思いっきり絵を描く。
そんな表現がピッタリの
どデカイ「ショー」?
慰問?
実に見事な描き方でありました。
地平から複数の筋が一本となって頭上まで飛来する。
と、思いきや
各機一斉に上昇を始め扇型に広がり
さらに
みなさんグイグイと上昇して
それぞれが大きな円を描き出し
それが重なって行く。
オリンピックのマークですな。
航空自衛隊の曲技飛行隊
ブルーインパルスの
「熊本地震復興支援特別飛行」
かの飛行隊の飛来は確か2007年以来。
所属は宮城県の松島基地。
奇しくも同じ被災地です。
今でもその基地の震災時の動画は
YouTubeで観る事ができますが
そら酷い状況でした。
飛行隊のみさなんも他の基地に
間借りして苦労されたと思います。
しかし見事な飛行技術ですね。
もっと長い時間眺めたいのですが
燃料とかの関係でしょう。
短く感じます。
ところで、その飛行隊の機体は
元々は練習機。
戦闘機とは違います。
それに低空で技能を見せて下さるのですから
割と低速なのでしょう。
「音」が違っていたのです。
一年前、震災直後に聞いた
スクランブル機の音とは
明らかに違った。
あれは戦闘機。
もっと鋭く腹の底に響いたその音は
今でも忘れません。
電気も消えて真っ暗な町
不気味な静けさの中に聞こえた
あのエンジン音は
「ああチャンと見てくれているんだな」
と大変心強く感じたのでありますよ。
政治的なことは申しません。
しかしながら
強い力が国民を守ると言う意識を
またその力の端っこでも見せられますと
その存在を、
定義を曖昧にしておいて良いのか?
との思いは
たまに頭をもたげるのでありますよ。