高校1年、夏休み前の暑い日だつた。
三宅坂の国立劇場で同級生と歌舞伎を観に行った。
何故歌舞伎座ではなく国立劇場だったのか
今では理由を思い出せない。
まだ開場には時間があったので
劇場の敷地にある小さな喫茶店に入っていた。
それは劇場より前にある独立した建物で
内堀通りに面していた。
確か名前は「あぜくら」だったと記憶している。
今でもあるのか、それは知らない。
前を流れる車の向こうにお堀。
その石垣の上に茂る緑が、
都会にあって妙に似合っている。
夏の青い空に浮かぶ雲がそう思わせたのかも知れない。
気だるい暑さと
「それ」が目に映るものに持っていた印象を捨てさせ
なんでも受け入れる気持ちにさせていたのだろう。
BGMにFMを流してあった。
それまで気にもしていなかったが
突然懐かしのBeach BoysのI can hear musicが流れ始めた。
Beach Boysは好きであったが
それは未だ見ぬ西海岸への憧れもあったろう。
しかし今流れているタイミングは
正にこの為に作られ、この情景の為にある気にさえさせた。
それ以来彼らの「レコード」が愛蔵版となった。
27クラブの連中はレコードでしか知らない。
しかし彼らは同じ時間を生きている。
それが妙に嬉しかった。
勿論The WhoとかStonesもいた。
キースムーンのフィルインも好きだし
ミックテイラーの音も好きだが
情景は浮かばない。
今でもそうだが
プロモを観なくても
勝手に情景を作り出せる稀有なバンドである。
そう言えば子供がソリッドを買ってくれと言って来た。
元々ピアノはやっていたし
スコアも読める。
アコギもそこそこ弾ける様だ。
バンドを組むのだそうである。
部活にバンド。
受験は大丈夫なのだろうか。
どうせ説教がましい事を言っても聴く年頃ではない。
どのメーカーの物を所望するのか。
最初に欲しがる会社で嗜好がわかる。
F社かG社か。
彼の心中を覗き見る様で楽しくもある。
E社でヘドバン?
まさかねw
画像はオバマさんからのメール。