「モンキンポット氏の後始末」 再読。

ご存知、井上ひさしさんのユーモア小説ですね。

だいぶ前の上梓ですから、
現状と重ね合わせるのには
少し無理があります。

ですが当時の私に取っても
だいぶ昔の話でしたが良く理解できました。

まずトンデモない事をしでかすのですが
それには然るべき理由と論理があります。

自分勝手な。

当然それは社会規範からは眉をひそめるものです。

特に私のお気に入りは、その構成。

主人公の学生たちが貧しかった事です。

私も元々少なかった仕送りが
遅れたりした時などありましたから
良く気持ちはわかりました。

カトリック系の寮がまだ沢山とは言いませんが、
点々とあった頃で友人も入寮していました。

そこは「自治」があり
一応体裁は整っていましたが
今思えばやってる事はハチャメチャ。

私も新宿で飲んで、アパートまで帰り着かず
よくその寮に転がり込んで
朝食まで食べていたものです。

寮長もさぞかし頭が痛かった事でしょう。

今自治権を持ってる寮は
有名所では
北大の恵迪寮と京大の寮、
後いくつかしかありませんね。

話戻して
そのカトリック系の寮は
安価で食事付きの住処提供し
どれほど学生たちを救った事でしょうか。

色んな大学の学生たちで構成されていて、
単に住まいとしてではなく時間の大事な宝物を下さった。

実は私にも、後始末を色々してくれた
神父様がおられました。

その方は司祭館の他にアパートを借りていて
親戚の為に提供されていました。

私が色んな事で行き詰まると
アパートに呼んでくださり話をします。

井上さんのモンキンポット神父様は関西弁で
やる事も関西ですが
私の方は、真剣に話を聞いてヒント、
そして後日後始末。

しかし、なんせ酒好き。

酔うとグデングデン。

飲む量も違いましたが。

それでそのアパートに泊まり腹を満たして帰る。

そんな生活がありました。

私はやモンキンポット氏に出てくる様な
大胆な事はしませんし
する度胸も知恵もありませんが、
あの本を読んでいて思う事があるのです。

自分の体裁を考えず
人の為本気で本当に動いて下さった人がいた事を。

今、その方たちと同じ年齢あたりを迎え
今の自分がどれほどの人間なのか考えさせられます。

再読して改めて我が青春時代を。

ですw

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