J君は本当に気のいいやつでした。
善良で真面目。
その立ち居振る舞いから育ちの良さが窺い知れました。
でも、好きなものには
トコトンのめり込むタイプでもあります。
それに、当時の私からすると全然ジャンルの違う
「はぁ?」
と言う方面にも知り合いが沢山いたのです。
サンハウスは学園祭にも登場していました。
J君と博多にある西南学院大学の学祭に行った時の事です。
彼はその後その大学に進学したのですが、
それはともかく最後の曲はオリジナルではありませんでした。
Got My Mojo Workin’
有名な曲ですね。
マディウォターで有名になった曲です。
それを彼らなりにアレンジして始まりました。
これはもうマジでやられました。
途中のギターのアドリブはツインでしたが
篠山さんから継いだマコちゃんのギターがすごかった。
私の持っていた曲のイメージのまんま。
それをスピード上げてアレンジし、
こちらの気持ちを煽るようなプレイです。
鳥肌が立ち度肝抜かれました。
しかし、ご存知の様にライブはその時だけのもの。
同じ曲でも違う所でやったら印象が違います。
再現性はないのですね。
マコちゃんのアドリブは特にそうでした。
「あれ?」
と言う位アレンジをかえます。
「あれよかったね〜」
とJ君に話しました所、
彼はちゃ〜んと録音してダビングしてくれいたのです。
持つべきは友達ですね。
もう本当に擦り切れんばかりに何度も何度も聞きました。
何十年も経った今でも
彼の高音に移行してからのリフは
頭の中で何度でも再現できます。
それから色んな方の同曲を探しては聞きましたが、
あのプレイに勝るものは今の所まだありません。
で、そのJ君ですが、
遅くなった時自宅に泊めてもらった事がありました。
元々我が母は東京にいた頃から
外泊など許した事ありませんでしたから、
相当私もタガが外れて勝手気ままにやっていたのでしょう。
J君のお家は博多の町の真ん中の高台の上にありました。
まぁご両親とも素晴らしく出来たお方で
「こんな家に生まれたかった!」
でした。
家もすごかった。
何がすごいかって、夜景が見事。
家も庭も広くて
調度品も子供の目でもフツーじゃない事はわかりました。