マコちゃんのギターは
既に早弾きとか耳ざわりの良いフレーズを弾く事は
終わっていて、
ブルースを基調として出したい音を出す弾き方でした。
それが嵩じて彼の弾くロックンロールは
決して一般受けはしないだろうなぁと
ガキながら私は思ったものです。
そしてそこにいる全員が見事な九州弁。
カッコ良かったです。
彼らは短い間でしたし、
ガキの私を憶えていないでしょうが、
私は今でもその衝撃と共に
忘れるはずなど出来ない思い出となっています。
柴山さんはその容貌とは裏腹に本当に面倒見の良い人でした。
博多に行くと電話をかけますが、
寝ていて私の電話で起きたのが明白な声にもかかわらず
出て来て付き合ってくれました。
しかしながら、そのファッション、
風体ゆえ新天町を一緒に歩くのは恥ずかしかった。
当時博多では照和が有名でしたが
彼らはパワーハウスと言う店で良くライブをやっていました。
その店は地下にあり、左程広くはありません。
そこで思いっきり客と楽しむのです。
で、頃合いを見計らって全員一度地上に出ます。
多分酸欠防止だったのでしょう。
その地上に出た時マコちゃんの傍に寄り添う女性が一人。
その頃になりますとその道の友人も出来ていましたから、
彼らから
「マコちゃんの彼女げな。北九州らしかよ。」
とか雑談。
「スタイルいいね」
「なんでん 陸上ばしよったらしかよ」
とか。
その彼女とは
昨年の今月旅立たれた、後のシーナ 鮎川悦子さんでした。
サンハウス解散後
シーナ&ロケッツのボーカルとして
You May Dreamをヒットさせた方です。
この曲の詩は柴山さんでした。
そして頃合いをまた見計らって
地下の店に戻り爆音の渦に巻き込まれるのです。
そんな頃できた友人の一人に
博多の名門高校で同学年のJ君がいたのですが、
彼との出会いが
これまた私の人生に多大な影響を及ぼそうとは、
当時は思い及ぶはずもなく楽しんでいたのです。