地方銀行の「一支店」から始まった哲学の「一視点」の話。その1。

まぁ良く晴れ渡ったものである。

日中は暑い位である。

しかし風は涼やかであり

この季節が一番爽やかであろう。

 

先日、家内を銀行まで送り

その駐車場の車内で一本の電話。

 

見れば登録のない見知らぬ番号。

普通ならまず出ない。

 

が、今日は朝から

トイレ中に実家のガス屋さんから

「止めます」

と連絡の電話を受けていた。

それも見知らぬ番号からであったが

母が施設に入所して

インフラをほぼほぼ解約中。

その関連の連絡が入る様になり

登録外の電話にも

出ないといけないのが現在の状況。

 

念の為申し添えると

私は電話をトイレには決して持ち込まぬ。

今日はたまたま

「さて出かけるか」

と身支度を整えた後の

「自然」からの呼び出しだった故

たまたまポケットにスマホが入っていて

それで出られたのだ。

 

ついでに自然の要求も出た。

 

話戻して

仕方がない。

 

「はいturunoです」

「あ〜どうも〇〇です」

「あら〜ご無沙汰してます。お元気?」

「ええ ええ 元気です」

「そうですか。して今日はまた?」

「ええ ええ 新しく論文を書きました」

「ほうほう 今度はどちら方面?」

「以前から温めてまして法哲学を一発」

「法ですか??アメリカ法?」

「いえドイツです」

「・・・・・」

 

マジか。。。

これまた難しい事をなさる。

下地、カントじゃん。

 

「それが掲載されましてそれをお送りしようかと」

「それはありがとうございます」

「これから事務所に伺っても良いですか?」

「すいません 今、外ですがすぐに戻ります」

「今どちらですか?」

「えっと今〇〇の銀行です」

「エッ 私も〇〇の銀行にいますが」

「どこです?」

「ピンク電話のところです」

 

ピンク電話?

はて面妖な。

 

「私駐車場にいますよ」

 

と最後の言葉を言い終わらない内に

電話が切れた。

 

仕方がない。

行内に入って探さねば。

 

入ると

ピンク電話のところから

入り口に向かって来る男が一人。

 

「あ〜どうもどうも」

 

元気に手を振る彼であった。

 

彼の事を簡潔に紹介するのは

大変難しい。

本業は

 

ない。

 

私とドッコイの年であるが

独身にして

大変な勉強家である。

いまだに勉強を続けている。

 

元々、語学の専門家だと思っていたが

専門は実は哲学であった。

確か3ヶ国語は学術書まで

読みこなせる語学力を持っている。

 

で、

一口に「哲学」と言っても

そのジャンルは大変広い。

いや広すぎる。

マジに多過ぎる。

 

世界各地に古の哲学があり

とてもじゃないが

「専門馬鹿」にならないと

収拾がつかなくなる。

と言うか

出来ない。

 

ザックリ分けても

西洋、印度、中国。

 

特に西洋など

ギリシアから始まり

こっちに近い時代の欧州の

隆盛ぶりは多過ぎてとてもじゃないが

私は俯瞰することなど出来はしない。

 

過去のその手を勉強するとして

一般的にその研究範囲は

「〇〇の〇〇時代における〇〇について。」

などと

絞り込まなきゃいけない。

 

自分の考えを前に推し進める

テーマを選べる現代哲学と違い

過去の研究となると

そら、検証するものが多過ぎで

多分一生かかっても終わりはしない。

 

彼は以前は全く違う国のある時代の

哲学を盛んに勉強研究し

それを私に教授してくれていた。

 

はず。

 

が、今度は地域も異なれば

ジャンルも違う論文を上梓したと言う。

 

マジか?

 

事務所まで同道して

詳しく話を聞いた。

発想は確かに面白い。

切り口がユニークであった。

 

が、もしそれがだよ

 

学会で認められるのなら

私は凄い人を前にして

親しく話していることになる。

 

しかしその結果は

多分私が生きている内には

知る事はできないであろう。

学問とは

そう言うものである。

多分。

 

と、ここまでは前振り。

 

難しい話はさておいて

始まりの銀行における電話。

これがまた面白くて

それを書きたくて

アウトラインを書いた次第。

 

以下次号(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です