死後の世界を覗き見た人に聞いた話2

死後の世界。

 

こりゃ興味ありますよね。

私の様な宗教も持たない人間でも

「あっち」にはなんかあるんじゃ?

と常々考えるのであります。

 

今日のお話は

その第2弾。

以前、私がお店を持っていた頃

常連のご夫婦からお聞きしたお話。

 

その方たちは子供さんも巣立っていて

仲良くテニスを趣味にされている

実に穏やかなご夫婦でした。

 

良く通っていただいて

そのうち色々お話する様になって

結構踏み込んだお話も

聞かせてくださる様な常連さんに

なっていました。

 

その奥様のお顔には

大きな傷があったのですが

ある時

 

「この傷、気になるでしょ?」

と奥様。

 

「あ、いえいえ全然」

と私。

 

ですが聞くともなく

その傷のいわれを話し出されたのです。

 

ご夫婦でおいででしたから

旦那様が

 

「私が悪いんだよ」

 

「そうなんですか?」

 

今でもその想いが強く

本当に奥様に優しい。

眼差しから何から全て。

 

話が始まりました。

 

ある休みの日の

夫婦で日帰りのドライブ、

天草まで行った帰り。

運転していた旦那さんが

居眠りをしてしまった。

 

そしてあろうことか巡航速度のまま

ノーブレーキで側壁に激突。

車の左半分が潰れてしまった。

 

運転席の旦那さんは無傷。

でも、助手席の奥さんが大変なことに。

 

これから先は奥様の話。

 

奥様ったら自分も居眠りをしていたそう。

それが突然不思議と何故だか意識が戻り

いきなり気持ちが良くなった。

 

お花畑か何かはわからないけど

そりゃ色彩も綺麗で明るさも程よく

さらに心まで明るくなって

今まで生きて来て

穏やかで軽快で

心配事のカケラさえ消えていて

こんなに気持ちの良かった事はない。

 

周りには騒音はおろか

物音一つしないけど

不気味さなど微塵もなく

その静寂がとても好ましい。

 

そんな所を疲れも知らず

体も軽く

心も軽く

そりゃ気持ちルンルンで

歩いていたそうです。

 

「あ〜気持ちいい〜ぃ!」

 

でしばらく歩いていると

遠くで

 

「お〜い!お〜い!」

 

誰かを呼ぶ声がする。

 

「何かな?」

 

と、まぁ気にすることもなく

歩き続けていたそうです。

何しろ気持ちが良かった。

その一言に尽きる。

 

ところが

呼ぶ声が段々と大きくなって来る。

 

「うるさいわねぇ」

 

と思いつつ、

それでも歩いていると

 

「お〜いお〜い!」

 

「もうヤメテ!」

 

と言いたくなる程呼ぶ声が大きくなった。

それも一人や二人ではない。

 

「うるさい!」

 

と振り返った瞬間に

目に飛び込む

自分の顔を覗き込む知らない男たち。

 

「???」

 

周りから

「良かった〜!気がついたぞ!」

の歓声。

 

またまた

「???」

の瞬間

いきなり襲って来た超激痛。

何がなんだかわからない程の超激痛。

 

この世のものとは思えない激痛だけど

こんな時に限って失神しない。

 

救急隊員と共に

周りの車の人たちも手伝って

ようやく座席から運び出され救急搬送。

そりゃもう痛いのなんの。

 

結果

 

全身各所の骨が折れ

さらに顔面まで大きな怪我を。

 

幸い脳は無事だった様で

と、言いましても

人間の脳はデリケートでして

結構な後遺症はあったそうですが

時間と共に元に戻ってそうです。

今でも各所に

疼痛やらなんやらあるそうですが

何しろテニスを楽しめるまで

回復なさっていた。

 

でもって

時間も経って

気持ちの整理もついていたのでしょう。

お顔の傷の話を自分からされる。

そのことが物語っていますね。

 

奥様は遠くを見る目で

 

「あの気持ち良さもう一度味わいたいわ。」

「本当に気持ち良かったのよ。」

 

と回顧なされます。

 

ところで

 

「その気がついた時の痛みってどれ位?」

 

と聞きますと

 

そりゃこの世のものとは思えない

 

「殺してくれ〜〜!。」

 

と本気で思ったそうです。

 

お後がよろしい様で。

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