「風邪ですね」で午前中が潰れる。

2ヶ月ぶりに風邪をひいた。

 

ここ数日

夜は結構気温が下がる。

多分それについて行けなかったのだろう。

 

本人は寝ているのだから

私には責任はない。

不可抗力である。

 

まだ初期症状であるから

「盛り上がる」前に手当てをすれば

このまま軽く収束する。

 

のではないか?

と考え、

朝から出勤するや否や

近くの病院に向かった。

 

受付で問診票を書き

体温計を渡される。

内科では一般的な光景。

 

書き終わり

体温計を見れば

37度丁度くらい。

まぁ動けて、しかし辛くて

の、微妙なラインである。

 

これ以上熱が出ると

私の場合まず動けない。

 

待つことしばし。

私の診察の番が来て

部屋に入ると

いつもの先生ではない。

 

専属の看護師さんが

「こちらの先生、初めてでしたね。」

と、紹介。

 

いや、ビックリ。

 

まず出鼻を挫かれた。

 

病院でドクターが

立ち上がり名乗るのも

初めての経験。

 

いや患者として行った時にね。

 

当然、こちらも立ち上がり答礼を。

名を名乗り

45度のお辞儀で返した。

 

なんとも不思議な光景である。

 

「あ、どうされました?」

と問診票を見ながら私に問う。

問診表見りゃわかるでしょう。

と言いたいところではあるが

「あ、風邪の引き始めな様で」

と答えなきゃ仕方がない。

 

いつもの先生なら

ホイホイで診察完了なのだが、

それはそれで良いか悪いか

意見の分かれるところであろうが

この先生、

やけに慎重である。

 

目一杯、私の病歴を聞きたがる。

「いや、だからね、風邪みたいで」

と言いたくなるのを何度か抑える。

 

で、喉の腫れ、リンパの触診

血圧、脈拍、聴診器と

進み

 

「9月に受診してますね」

「はい」

「その時の薬は効きましたか?」

「え?」

 

不意を衝く

実に答えに窮する問い。

 

その薬が効いたのか?

じゃ効かない薬を風邪に処方したのか?

 

と聞きたくなってしまうではないか。

 

一般的な風邪の処方薬としては

概ね相場が決まっている。

 

私はね

市販の風邪薬を信用してないのよ。

だって万人向けであるし

症状に合わせてストライクでもないでしょ。

だから症状を伝えて

病院で診察、処方してもらうのよ。

 

それはともかく

この先生

よほど慎重なのか話好きなのか

私の現在の体の状態について

詳細に所見を述べられる。

 

「まず肺炎の症状はないですね」

 

そらそうだろ。

肺炎起こしてたら

こんな風に自力で病院には来れんだろ。

 

「インフルエンザでもありませんな」

 

そらそうだろ。

インフルだったらとっくに高熱。

自力参上はまず余裕で無理。

 

様々な病気を列挙され

散々遠回りの消去法で導き出された答え。

 

「風邪ですね。」

 

だぁかぁらぁ

と言いたくなるのをぐっと堪え

処方を待つ。

 

出て来た処方。

葛根湯、鼻水止め。

この二つ。

 

与太話でついつい診察時間が伸びる事は

馴染みの病院ではよくある事。

 

概ね、病気とは関係ない話に

終始する。

 

真面目で、良い意味で地味な先生であった。

 

過去、自分の思い込みで走る先生もいるし

それが全く見当違いだったこともあった。

そんな経験を繰り返し

「行きつけ」の病院を決めているのであるが

たまたまであろう。

急用で「代診」の先生。

こら仕方がない。

 

でもさ

薬局で処方して戻るまで

午前中一杯はないよな。

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