長谷川きよしさんの「別れのサンバ」は時代を超える。

長谷川きよしさんの「別れのサンバ」。

 

初めて聴いたのは相当昔。

 

ご存知ない方の為にサワリだけ。

 

長谷川さんは確か69年頃

この曲で一躍有名になられた

全盲のシンガーソングライターです。

 

アコーステックギターですが

テクニックも相当なもので

歌声も一見線が細く感じられますが

いやいやどうして力強い。

キンキンもしていなくて

ドスも効いていなくて

親しみやすい

耳障りの良い声です。

透き通っていて

実に優しい。

 

現在はYouTubeを観ると

メディアにお出になってる様ですが

以前はほとんどメディアには

お出にならなかった。

ですから

私らが思うほど、

世間では知られていなかったのかもです。

 

先週は怒涛の様な一週間であった。

他人様が絡む想像を絶する出来事も

超個人的に感情を揺さぶる出来事も

同時進行で起こっていた。

 

ある程度落ち着いてきて

YouTubeを眺める余裕も

多少出てきたのだけど

これと言って興味を引く様なものが

あった訳でもない。

 

外部から強い衝撃を受け

私のか弱いオツムが回復するには

まだ時間がかかりそうであるが

その後遺症として

何事にも興味が失せているのに気がついた。

 

ふと思いついたのが

長谷川きよしさんの

「別れのサンバ」

 

あれは好きである。

YouTubeには昔のから

最近のものまで沢山上がっているが

時代とともに

声と奏法が違っていて

それはそれで癒される。

 

流れる様に弾いていた昔と違い

最近の奏法は力強く

しかし心を捉えて離さない

一音一音が「沁みる」。

 

聴いていて、

ふと昔の先輩

中学、高校の途中まで一緒だった

女性の先輩であるが

彼女の顔が浮かび

電話をかけた。

 

彼女とは上京した折に

たまに会っているし

電話では結構な時間話もする。

 

「あらどうしたの?」

 

「いや長谷川きよしさんを聴いていたら顔が浮かんで」

 

と答えると

素っ頓狂な声が返ってきた。

 

「私ね、今年2度彼のコンサートに行ったのよ」

 

聞けば彼女もなぜか彼を聞きたくなり

上野の文化会館まで行ったそうだ。

 

アコーディオンと彼のギター

そして彼が歌う。

至極シンプルなコンサートであったそうな。

 

「あんたから彼の話が出るとは思わなかったわ」

 

本当に驚いていた様子。

 

「なんかあったの?」

「まぁ色々と」

「ふ〜ん」

 

それ以上は聞かない。

でも何か通じ合うものがあり

この先輩とは一生縁が切れないだろうな。

とおぼろげながら予感した。

 

何も言わずともわかってくれる。

そんな人を持てた現在までの

人生に感謝である。

 

今まで色々あったし

そりゃ彼女にも色々あった。

でも話す時、

会ってる時、

お互いそれに触れずとも

深いところで理解され

なぜか安らぐのである。

これをなんと表現したものだろう。

 

しばらく音楽談義をして

切ったのであるが

同じ時代を駆け抜けてきた

同じ感性を共有してきた

それは得難いものである。

更に彼女とは「馬があった」。

 

他を持って変え難い。

「この出会いに感謝」

とは一言で言い切れぬ。

そんな簡単、軽いものではなく

「何か」があると確信させる。

と、感想するのである。

 

それを確かめたのは

長谷川きよしさんの楽曲。

同じ頃、同じ人の歌声を求める感性。

 

やっぱり音楽には

 

「何か」があると

確信した夜は更けて行ったのでありますよ。

彼はシャンソン出身ですから

当然ステージでは歌われますが

「ラ ボエーム」

聴いたら泣くぞw

 

アイキャッチはAmazonさんのものです。

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