「愛を読む人」観終わると素直に切ない。

「愛を読む人」米独合作映画。

 

2009年日本公開。

原作はベルンハルト シュリンクさんの

小説「朗読者」。

 

舞台は1995年のベルリンから始まるのだが

その主人公マイケルを観てビックリ。

「イングリッシュペイシェント」

の主人公 レイフ ファインズさん。

 

少し哀愁を帯びた表情、仕草

感情に抑えの効いた演技はとても好きだ。

 

あらすじは別の機会に譲るとして

「イングリッシュペイシェント」にしても

この「愛を読む人」にしても

第二次世界大戦を絡めて

男女間の葛藤を描いている。

 

精神世界まで戦争一色に塗りつぶされた

また戦後の貧困期に

「これアリ?」

と思いがちな

現代日本に生きる私は

良くぞここまで思いつき描いたものだと

感心してしまう。

 

これが実際、戦後すぐあったのか

それはどうでも良い。

 

もう一人の主役

ケイト ウィンスレットさん演じるハンナ。

隠してはいるが文盲との設定。

 

その彼女が少年のマイケルに朗読をせがむ。

まずは片っ端からだが

その中に

「オデッセア」。

 

その設定にもビックリ。

 

あの、やたら長い

かつ難解な叙事詩をチョイスするとは

いくら映画の世界とは言え

その文化の違いを思い知らされたのである。

 

日本で言うところの「西洋哲学」は

欧州の精神基盤であり

その源流を辿れば

それはギリシアに至る。

こんなところにそれを垣間見た気がする。

のは気のせいか。

 

あれをスンナリ物語として

また情景、心情を違和感なく受け入れてしまう。

それは専門に特異なものとして

「解読」せねばとてもじゃないが

読めたものでは私はない。

 

やっぱり背負っている文化が決定的に違う。

 

そう言えば

ここに書いた二つの作品の終わり。

その死の迎え方

受け止め方が

ギリシア神話の世界に通じるとは

深読みしすぎであろうか。

 

1995年の彼が駈るサッコプレートのW124。

あれは私の歴代の中では

やっぱり一番のお気に入り。

あのカブリオ

手放すべきではなかった。

改めて。

 

アイキャッチはALLMOVIEさんのHPです。

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