「大学受験は夏が勝負」なのだそうだ。

一昨日息子が帰省した。

 

来年は受験であり

今夏は帰省は当初から予定しておらず

よってエアチケットも取っていない。

 

受験は夏休みが勝負と良く言うが

受験まではすべての期間が勝負であり

ことさら「夏休み」に意味があるのか

疑問ではある。

が、一応世間様がおっしゃる事に

違を唱える度胸もないから

「ふ〜む そうなのか」

と従うことにした。

 

昼過ぎに私の職場に現れた彼は

親の私が言うのも変ではあるが

会う度に成長が会話から見て執れて

自身をどこまで伸ばせるのか

楽しみである。

 

やがて6年間に及んだ集団生活が

彼の人格形成に順当に作用したことに

安堵するのである。

是非「宝」として欲しいのである。

 

そして学業以外に

それなりの量の読書をしているらしく

言葉の端々にそれが伺え

これまた順当に人間として成長していることに

安堵するのである。

 

ところで、その彼の今までを振り返ると

自ら選んだクラブ活動も最後までやり遂げ

成績もそれなりに順調にきている。

一科目を除けば

他の科目は概ね合格ラインを超えており

その科目さえなんとかすれば

来春にはこれまた現役で門をくぐる事が可能であろう。

楽観的予想では。

 

彼の学校では国公立大学医学部志願者が

大半を占める。

実際学年200人中、約100名が

その道に進学する。

彼は2年生の春

その道は選ばなかった。

彼なりの理由があっただろう。

それは彼の人生ゆえ

私らがとやかく言うものではない。

 

今回、将来のことについて軽く話したが

「やっぱ国かなぁ」

との答えであったが

その道は彼が考えるほど平坦ではない。

 

私の先輩がその道に進まれたが

希望の官庁には入省できなかった。

しかしその彼も順調に出世され

稀に国会の参考人招致された時は

役人として答弁されている。

その彼を見て

学生時代の彼の本当の人柄を知る私には

別人に見えた。

まさしく「役人」である。

職責がそうさせるには重々承知である。

彼の本当の人柄を知っているが故に

相当の葛藤が彼の中にあることは

想像に難くなかった。

 

人間、生きていると色んなことがある。

 

自身を曲げなければいけない事もある。

我が子が「過程」として大学受験をし

何を目指すのかそれは知らない。

何事も全てが順調に行くと思ったら

大間違い。

彼に取って「現役」でノホホンと

受験をこなして門をくぐる事が

本当に彼の人格形成に良いのか

大いに疑問としてある。

 

「一度は挫折を味わって」

 

との親心も無きにしもあらずなのである。

母親は違うらしいが。

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