クリスティーズ スペシャリスト山口桂さん 実にかっこ良かった。 

実にかっこよかった。

山口桂さんとおっしゃるのですね。

不勉強ながら

初めてお聞きするお名前でした。

 

一昨日のNHKの番組

「プロフェショナル仕事の流儀」

ご覧になりました?

 

クリスティーズの

東洋系文物オークションスペシャリスト。

自分で目利きして発掘してくるのは勿論

人脈からトンデモない依頼されたものまで

オークションにかけてゆく。

扱うものがこれまたトンデモなさすぎて

言葉を失いました。

 

私も古物の許可証を持っていて

実は世の人の目に触れぬ「お宝」が

沢山世間にはあることは知っております。

が、ちょいと世界が違いすぎました。

 

番組中には色々なものが出てきました。

なんでも日本の美術館の依頼だそうですが

六龍図にも確かに驚きましたが

チラッと映った殷後期の青銅の壺。

あれには言葉失いました。

 

殷と言えば歴史学上

まだしっかり整理されていない時代。

ですから知れば知るほど面白い。

日本で言えば縄文時代あたり?

その後期と言えば有名な紂王で

牧野の戦いで周に滅ぼされるのですが

当時活躍した人物と言えば

有名な太公望呂尚。

その当時の大物の壺が残っているどころか

見事な「状態」だったのです。

大きさも「姿」も文句なし。

それが日本にあった。

間違えると「国宝級」ですよ。

中国の。

 

もう十年以上前になりますか。

殷の青銅の鼎を美術館の巡回展示で

観た時の感動は今でも忘れません。

書物でしか知り得なかったものが

目の前に顕れた。

 

実感を持って

言い知れぬ感動を憶えたものです。

 

オークションと言えば

みなさんそれぞれに

印象はおありかと存じますが

今回のそれは

「文化を次の時代に渡す」

橋渡し役に感じたのです。

 

世に埋もれているものを

オークションを通じて広く知らしめる。

その審美眼。

その歴史観。

価値観。

実にカッコいい人、

仕事です。

 

しかしながら

先に書いたような文物が

民間にあってそれが「まだ」買える。

不思議な世界ですね。

その状態が。

 

古美術の世界にも勿論流行はあります。

日本画ですと

数年前より始まった若冲。

昔から好きで画集も持っていましたが

これが一過性のブームで

終わらぬ事を祈ります。

 

何しろバブル真っ盛りの頃

競って有名画家の絵を

狂気じみた値段で買い漁った

すごい時代をじかに見てきていますので。

バブル弾けた後は

また世界に戻って行きましたけどね。

 

しかし

お金があると買えるのですね。

「国宝級」が。

 

でもね、

もし、

もし買えたとしても

私の事ですから

心配で旅行に行けなくなっちゃう。

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