策を弄して自分がハマる。

いきなり久しぶりの電話。

先日、朝から珍しい人から電話がかかってきました。

いや、本当に久しぶり。

 

どんな人物かと申しますと

かなり「学」のある人で

いろんな方面の哲学系に造詣が深い。

 

と思っていました。

私なんざぁ一つの方面でも

四苦八苦ですから。

 

それに言語も堪能。

他にもそんな方を存じ上げていますが

その中の一人。

と認識してはいましたが

良く考えますと

多岐に渡り造詣が深いと言うのは

逆に一つの事には、

然程深くないのではないか?

との疑念も生じていたのは事実です。

 

その方が珍しく電話をよこした。

内容は「今日会えないか?」

でした。

その日は用事がありましたので

「夕方なら」

とお返事申し上げました所

それで結構。

こちらに来られると言う。

 

約束をソソクサと切り上げ

時間通りに待っていますと

おいでになりました。

 

ここから長かった。

まずお互いの近況から入り

今どんなことをしているのか

これからどんな計画をしているのか。

 

その計画を聞いてぶっ飛びました

 

実績を残したいので出版社を知らないか?

「はぁ?」

であります。

専門書をそう易々と出してくれる出版社など

知る訳がありません。

 

いや厳密に言いますと

知ってはいますよ。

でもそれは実績を持った方が

書かれたものを

「是非うちから出せてください。」

の世界ですからね。

「無冠」の方が書かれても

当然食いつかない。

それこそ内容が「えっ!」なら別ですが。

 

草稿を見せてもらいましたが

素直な感想としては

「これわざと難しく書いていません?」

でした。

 

良く読み込みますと

「ふ〜む」

説明をして下さいますが

イマイチ

「これ本気で出そうと?」

でありました。

 

「これ、実際の話、垣根高過ぎますよ。」

と申し上げたのですが

それでも諦めきれない様子。

 

色々考えましたが

これを英語か独語で書いて

海外のラボに投稿してみては?

と苦肉の策を申し上げました所

なぜか乗り気ではありません。

本気で世に出したのなら

その方が早い。

科学分野ではそのシステムは

確率されつつありますし。

 

従兄弟が東京の大学で教鞭を取っていますから

「聞いてみますよ。」

そうしたらその返事に

「はぁ〜?」

なんとなれば

「あまり急がないから機会を見てお願いします。」

 

矛盾された事をおっしゃる。

 

「これ、いつ頃書かれました?」

 

あたりから雲行きがチト怪しくなって来ました。

 

話を適当にな所で切り上げ

帰られる段になりまして

出ました。

 

本音が

 

「ああ そうだちょっと出かけなければいけないのだが

手元不如意につき、来週まで少々お金を借用したい。」

 

数万円でしたが

私も人生長くやっています。

今回の本来の訪問の目的がこれである事など

容易に察しがつきます。

そして、至る所で断られ

また、そんな小さな借金をこさえていることを。

 

前振りが長く

手の込んだ事をされる。

そんなに私、安易に見えますのでしょうかね。

 

仲の良い同級生なら

直球勝負で

「金ねぇから、貸してくれ。」

「ああいいぞ。これしかねぇけどな。」

で済みますが

前振り、こちらの興味の引き方

そして本題。

その落差に驚き、失望し

とてもそんな気にはなりはしません。

それが私の心にどれだけの傷を残すのか

おわかりではない様ですね。

 

彼の残していった草稿のコピーが

やけに安っぽく、読み込む気にならない。

 

策を弄すると

自分がハマる。

深く考えさせられた一日でした。

 

今でも心に棘は刺さったままです。

私、こう見えても結構繊細なんですのよ。

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