母の財布から思い出される我が家の暗黒の歴史。その10

少し横道に逸れますが

彼は現業ではありますが

少し離れた地元の会社に採用され

貧しいながらも平和に暮らしていました。

母と子で。

 

少し余裕ができたのでしょう。

町の中に小さな借家を見つけ

そこに引っ越していました。

狭いのですが

日当たりも良いし

駐車場も、これまた狭いですが

一台分はついていました。

彼の母もその家を気に入り

一応人並みの生活は確保できていたのです。

 

私は独立してから前にも書きましたが

それこそ年中無休で働き

はじめの半年はヒヤヒヤで苦労もしましたが

半年後からその業界の平均値まで売り上げも昇り

その後も順調に推移。

結構良い思いもさせて頂きました。

 

アメックスもゴールドが

インビテーションが届きプラチナへと。

車も国産から

頻繁に来るディラーにおだてられドイツ車。

他にも諸々ありますが

それなりに

「あの時独立して良かった。」

と思える時代でもあったのです。

 

そんな最中

母から電話がありました。

仕事もありましたが

過去の一件以来、

実家へは足がナカナカ向かなかった。

 

用件は

今彼が住んでいる借家の大家さんが破産した。

で、債権者の銀行が競売に掛けた。

それを私に落札してくれとの要求でした。

 

今までの事を考えると

即断で断るところですが

彼の母親が

「ここを離れたくない。」

と言っているとの事。

身の丈にあった生活を考えれば

自分たちでどうにもならない事は

それに合わせて行くしかないのですが

彼の母親を思うと

むげにはできない私もいます。

 

しかし、これまた私は鈍いのですが

後に考えるに

直接私に言わず

母に言わせるところが引っかかります。

それとも母が勝手に私にやらそうとしたのか。

とにかく二人の間で

「談合」があったのは確かです。

まだまだ彼への偏愛は変わっていない。

 

博多のネェちゃんに言わせると

母にとって彼が「長男」なのだそうです。

 

一応それには応じてみる事にしました。

私にとって余り価値はない物件とは言え

不動産を増やす事にもなりますから。

 

裁判所の「競売」など経験ありませんから

出入りの銀行から

競売専門の不動産屋さんを紹介してもらい

現場を確認してもらって

「大体これくらいで行けますが。」

「じゃ お願いします。」

で落札しました。

 

当然ですが

本人からの連絡は全くありません。

 

後年、彼と会った時

これまたビックリの発言があったのです。

彼には別れましたが息子もおります。

その息子に

「この家くらいは残してやりたい。」

耳を疑いました。

どう言う神経なのか。

この家は私のものであり

彼が息子に相続させることなどできません。

やっぱりこの男は懲りていない。

自分の都合よく物事は進むと考えている。

これはくれぐれも注意しておかないと

長く住まわれますと居住権の問題から

所有権まで発展する事もあります。

今年も役所に確認をとりました。

何をされるかわかりませんからね。

今のところ、

所有権は私に間違いありません。

 

随所に不信感を募らせる言動が散りばめられた

仮の平和の最中

また母共々、

全く昔と変わっていない事を実証する事件が

そのずっと後年また発覚するのです。

 

これまた超恥知らず。

「皆、頭どうかしてる!」

と確信させる出来事でありました。

 

つづきます。

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