恐怖は自身が作り出すものかも知れない。

これまた大昔の話で恐縮ですが

まだ私が大学在学中の事です。

杉並区にアパートを借りていました。

従兄弟連中もほとんど東京の大学に来ていましたから

私のアパートは夜になると良く「襲われた」ものです。

仲の良い同じ大学の友人とか

高校の同窓で、やっぱり東京の大学に来ている

友人とかを伴って。

その中では私が最年少でした。

その内、友人が単独で遊びに来る様になったのです。

それぞれに皆さん個性的であり

良く勉強してらっしゃったから

話を聞く側ばかりでしたが

退屈もせず楽しい時間を頂戴していたのです。

ある寒い日の事。

その友人の一人が

ただならぬ雰囲気を漂わせてドアをノックされました。

いつもの調子で上がってもらいますと

「頼みがある」との事。

お貸しする程のお金も持っちゃいませんし

何だろうと考える暇もなく次の言葉。

「しばらくこのアパートに泊めてくれ」

別にお泊めするのは構いませんが

訳がわかりません。

落ち着いたところで話を聞きますと

彼は有名所の大学に行かれてましたが

そこのどなたかと論戦した模様。

相手の素性が明らかとなり

慌てて姿をくらましたいとの事でした。

当時、いや今もですが

学生運動はとっくの昔に終焉を迎えていましたが

「学生」を終わった方の中に

それ専従となられた方が多数いらっしゃいます。

昔、運動が激しかった大学では

そう言った方が少数の現役の学生さんと

活動をしてらっしゃいます。

今でもです。

その中にはかなり先鋭化した人たちもおり

その方たちと思しき人と、ひょんな事から

言い合いとまではいきませんが

意見の食い違いがあった様子。

ある晩帰宅すると

窓から見える電信柱に人影が。

途端に蘇る先日の事。

それから脱兎の如くだそうです。

良く良く話の内容を聞けば

「いくらなんでもそれしきの事で」

と思いましたが

何泊か逗留頂き

私が夜様子を見に行きました。

何もありません。

お伝えしても完全には払拭されない恐怖。

今度は私がお相手のアパートに一泊する事で

納得して頂きました。

当然何も起こりません。

お相手も論戦とまでは行きませんが

多少の意見の食い違いで

事を構えようとはするもんじゃありません。

「おばけ」と同じで

それを「おばけ」にするのは自分自身なのですね。

話は変わりますが

現在色々な問題が周りで起こっている様に思います。

それとてもお相手の「温度」がわかりませんから

私が一人合点で「問題」としているのかも知れません。

と、思いたいのですがね。

どうなんでしょう。

画像は「ひよこ」

大変久しぶりでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です