博多 1

まだ路面電車が走っていた博多は面白い町でした。

まずソコソコ大きくて安心しました。
文化的になんとも言えない
大都会とも違う田舎とも違う
経験のない独特の雰囲気がありました。
もちろん
熊本と違い大都会なのですけどね。

良く通った先はヤマハです。

岩田屋の前、
渡辺通りを挟んだ福ビルの一階の奥にそれはありました。

レコードの数も多かったし楽譜、楽器も沢山。

何度か通っている内に顔を覚えられ
女性職員の方に可愛がっていただきました。

ご飯を奢ってもらったり
他の職員さんを紹介してくれて
色んな話をきかせてもらいました。

ギブソンの本物も色々触らせてももらいました。

ある日そこの支店長の方が
たまたま来店していたある人を紹介してくれたのです。

会ってビックリ。
背中の真ん中まであるストレートの長髪。

まぁその程度の長髪なら
以前いた東京の高校にもいらっしゃいました。

本当に年中化学の実験で着る白衣を着ていて
フラットレスのフェンダーベースの達人でした。

が、

目の前にいらっしゃるその人は
ド派手なジャケットにヒールの高い靴。

おまけにマニュキアまでしていたのです。

聞けば福岡ヤマハとしても
彼らのバンドを応援しているとの事。

バンドやってる人だったのですね。

とても気さくな方でビルが閉まった閉店後に
今日は此処で練習するとの事。

「見ていけ」
とありがたいお言葉。

いつもは違う所だそうですが、
そこが都合つかない時は
たまに此処でやるのだそうです。

時間が来てメンバーが集まりました。

その長髪の方はボーカル。
サイドギターの方は真面目そうで緑色のストラト。

でリードの方は黒のレスポールで見た目もカッコ良かった。
実に「よか男」。

いつもはヤマハ提供のSGだそうですが。

で、確か一発目は「ミルクのみ人形」

出だしのリードのイントロ。

前につっかかる様なカウントの取り方

カッカッカッ

その音聞いただけで
私はノックアウト。

何かが弾けました。

練習中何度も中断して話し合うのですが、
その時にリードの彼が軽くつま弾く有名なフレーズの数々。

中でもJumpin’ Jack Flashのイントロを軽くやられた時は
本当に驚いたし嬉しかった。

バンド名は「サンハウス」。

ボーカルを取るド派手な人は柴山俊之さん。

そしてそのリードの「良か男」は鮎川誠さん。

後のシーナ&ロケッツのマコちゃんだったのです。

高校の文化祭との大違いに本当に
「びっくりポン!」でした。